不安定な時代を生き抜く、お金に愛される考え方

お金に対する欲望や関心は誰もが持っているものだと思います。しかし、その気持ちとは裏腹に資産形成や不動産投資ととなると急にハードルが上がり、自分には難しい、面倒くさいといったネガティブな感情を抱くことはないでしょうか?従来、日本では子供の頃からお金について学ぶ教育環境はなく、家庭の中でもお金について話し合う機会は少なかったのではないかと思います。今回は、そんなお金と向き合うことに不慣れな日本人にこそ読んでいただきたい、お金の専門家、菅井敏之さんのインタビューです。

菅井敏之
菅井敏之氏

プロフィール
1960年 山形県生まれ
お金のアドバイザー 元メガバンク支店長 現不動産オーナー
学習院大学さくらアカデミー講師

資産形成のための銀行の活用法や住宅、保険などのアドバイスに定評があり、これまで銀行マン時代を含めて3万人の相談に乗っている。代表的な著作に「金の卵を産むニワトリを持ちなさい」「お金の不安がなくなる50歳からの「満足」生活」最新刊本に「新 お金が貯まるのはどっち!?」(アスコム)などがある。

「日本人は皆、百姓をやればいい」その真意とは?

―これまで経営されてきたカフェを閉店されたと伺いました。

菅井 ええ。毎月、20万ほどの赤字を出しながら続けてきましたが、今年の4月に閉店しました。そもそも私がカフェを始めたのは、アパート経営の仕事が暇だなって思って、「暇な自分の困った」を世間に解決してもらおうと始めたんです。だから、失敗して当然だと思っています。自分の我欲で始めたことは上手くいくわけはありません。他人の悩みを解決することが目的ではなかったのですから…ただ、その時のご縁でたくさんの方に出会ってお金の相談にも乗った結果、本も出して講演活動も行えるようになりました。

―菅井さんはこれまで3万人の方の個人相談に乗ってこられたと伺いました。

菅井 今は、帝国ホテルにあるオフィスで相談業務を行なっていて、個人だけでなく企業の顧問や社外取締役にもなっています。そういった意味では銀行マン時代と変わらず「何にお客様が困っていらっしゃるのか」と現場の声を聞いて問題解決をしていく御用聞きです。もしも仕事に困ったら、まずは御用聞きをやってみるといいと思いますよ。いつの時代でも「お客様のお困りごとを解決していく」これが一番喜ばれる仕事です。

例えば、個人事業主でもフリーランスでも皆、百姓を目指せばいいと思うんですね。皆、農業をやれというわけではなくて、もともと百姓はいろんな仕事を持つ人たちのことで、「自分はこれをやる人」ということではなくて、こちらで畑を耕していたと思えば、あちらでは水路を作ったりと、あちらこちらにある“困ったを解決する”ために自分の手を貸す人たちのことなんです。日本の昔からある助け合いの精神ですよ。相手が困っていることをやってあげる。そうやって私たちの祖先は生きてきたわけです。だから日本人は皆、百姓をやればいいといっているんです。

菅井敏之

―なるほど。

菅井 菅総理が『自助・共助・公助』といっていますが、私は自助も大事だと思いますが、特に『共助』を深掘りしたほうがいいと思うんですよ。自営業者やフリーランスのような人たちは、結構、一人で悩みを抱えて混んでいて、職人気質な人は袋小路に入り込んでいきます。特に男の人は「助けて」が言えない。だけど、私がみてきた限り、必ず「助けて」と言えた人が成功しているんです。

資産形成の重要なポイントは親子関係にあった

菅井 自分のコラムでも「人間関係が大切だ」「人脈があって、資金が大事だ」といってますが、いま1900兆円ほどある日本の個人金融資産のほとんどは、60歳以上が持っているんです。

例えば、自分を個人企業とした場合、親は親会社になります。だとすれば、子会社と親会社は連結させたほうがいい。親の金をあてにしてすねをかじるということではなくて、経営的発想です。金融資産や土地、家屋などの不動産資産を連結すれば、銀行からもお金が借りやすくなります。個人事業主の方は特にそうですが、お金の仕組みを知って自分の力だけですべてやろうとしないことです。それぞれの仕事を連結させてレバレッジを回すことが大切です。

そんなに都合よくあてにできる親はいないよという人も、兄弟や親戚、友人、コミュニティと広げて考えてみればどこかに自分を助けてくれる人はいると思います。正直いっていまは恐慌に突入しています。自分をいま、助けてくれる人は誰なのか?を考えて、常日頃からの信用を大切にすることです。それから、セーフティネットも今はたくさんあります。助かる方法があるのに知らないまま自己破産してしまう人が結構多いんです。資金を支援してくれる公助もたくさんありますから、どうか、情報弱者にはならないでください。私はそれをお伝えしたいんです。

―この記事を読まれる多くの方はビジネスパーソンだと思いますが、何かアドバイスをいただけますか?

人生100年時代の働き方、ライフプランを考えてみる

菅井敏之

菅井 終身雇用が約束される時代ではなくなった今、ビジネスを立ち上げたり、フリーランスになったりする人も多いと思います。しかし今や人生100年時代です。あえて組織の中で欠くべからずの存在となってどっぷり浸かってみるというのもいいのではないでしょうか?私も銀行で48歳まで勤めましたが、財務、会計、金融、人脈構成のあり方など、業務で様々なことを学びました。その時間が功を奏して人脈を引き出したり、「この人はどうすれば幸せになるのか?」にフォーカスして人と関わったりすることができるようになりました。

会社の中での閉塞感や、時間的な自由がほしいという気持ちになることもあると思います。それで5、6社お客様を持っているからと独立して業務委託でやってもうまくはいかないことは多いです。私自身が40代でアパート経営を始めて気づいたことなのですが、人には与えられたミッションというものがありますね。周囲の期待といってもいいですが、それに対して120%の結果を出す、そういう気持ちで集中してやっていれば、専門性も高くなって仕事の幅も広がります。結果、自分の資産となって返ってきます。50代で独立をしたいと思ったら今の仕事をしっかりやることが大切だということです。ライフプランを100年とした場合、自分の人生をどう組み立てるか?人生全般を見渡した時、いま、自分はどういう時期にあるのか?を考えてみることは大事なことだと思います。

―独立してうまくいくかどうかはやってみないとわからないと思いますが、いずれにしてもそれ相応の覚悟と信用が必須だということですね。

菅井 はい。それからもうひとつお勧めしたいことは家庭を持つということです。家庭が何よりの防衛になると私は思っています。一人が刀折れ、矢尽きたときには、もう一人が頑張ればいい。そうやって夫婦は支え合っていくことができます。結婚は心の安定だけでなくて経済のリスクヘッジにもなります。共助の意味合いがありますから、一人で頑張らなくていいのです。

それとこれからの時代、東京にだけこだわる必要もありません。場所を変えるだけで有利に働くことがあります。もしも東京で埋もれてしまうというような悩みがあれば地方に行くことをお勧めします。地方にはコンテンツがあっても発信ができる人がいない。ライターやカメラマンのような人であれば仕事はたくさんあるでしょう。世の中の変化が激しい時代、フリーランスでも事業主でも問題解決ができる人が生き延びることができる人です。とにかく何か一つでもとんがるものを持ちましょう。そして、一人で動くのではなくて、今日、ここにライター、カメラマン、編集者がいるようにそれぞれの力を出し合って、みんなで仕事をすることが大事だと私は思いますよ。

―本日はありがとうございました。単にお金の専門家というだけでなく、奥深くにある菅井さんの生き方に美徳を感じました。

菅井敏之
菅井さんいわく「丁賞感微」(丁寧に、褒めて、感謝し、微笑みを忘れない)の4つができれば人は集まるといいます。

担当編集者 斎藤さんのコメント

 

菅井さんと私は同郷ですが、とてもお世話になっていて、不動産に関する情報は個人的にも助けられています。最新刊の「お金が貯まるのは、どっち!?」はお金のバイブルと言って良いと思います。これ1冊さえあればお金に関する漠然とした不安がなくなると思います。
不動産投資をはじめ、資産形成、銀行との付き合い方、お金の教育などをテーマに全国で講演活動もしています。機会があればぜひ、直接、話を聞いてみてください。

お金の専門家 菅井敏之氏の公式サイト
http://www.toshiyukisugai.jp/index.html